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Buildings vol.19 - Sunlight Chambers

2012.07.12 (Thu)




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ⓒ bonovox45 (January,2012)



Grattan Bridge の南側のほとりに建つ色あせたクリーム色の建物。"Sunlight Chambers"という名前がついているこの建物は、1902年ウィリアム・リーバ(William Lever)という実業家のオフィスとして造られました。



ウィリアム・リーバと言ってもあまりピンと来ないかも知れませんが、この方「リプトン」「クノール」「ラックス」などの有名ブランドを有するユニリーバ社の前身、"Lever Brothers"の創始者です。



マンチェスター郊外の町、ボルトンで生まれたウィリアム・リーバは1885年、弟と共に小さな石鹸工場を購入し起業します。この石鹸がのちにイギリス有数のブランドとなる"Sunlight Soap"。衛生への意識が低かったビクトリア朝のイギリスにおいて、この石鹸の登場はたいへん革新的なものだったそうです。



建物の名前"Sunlight Chambers"は、この石鹸から付けられたもの。"Chamber"は"議会(の建物)" を意味する単語ですが、この場合は "会館"という意味合いでしょうね。





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ⓒ bonovox45 (January,2012)



Edward Ould というイギリス人建築家によってデザインされたこの建物。半円アーチ&三角の窓飾りなど、ルネサンス期の建物を模したリバイバル建築です。こういうイタリアン・スタイルの建物、ダブリン中心部でけっこう見かけます。



さてこの建物、見どころはなんと言っても、2階、3階部分に帯状にほどこされたテラコッタの装飾です。





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ⓒ bonovox45 (January,2012)



カラフルなテラコッタの装飾帯。これ、衛生学の歴史を描いているものなんだとか。"衛生学の歴史"と言ってもなんだかよく分かりませんが、畑でなにかを耕したり、川で洗濯したり、洗濯ものを干したり…といった様子が、びっしり描かれています。



こういう物語性のある建造物装飾って珍しいですよね。聖書の物語をガラスで描いたステンドグラスに近い意味合いを感じますが、"衛生"を題材にするあたりは石鹸メーカーならでは。





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ⓒ bonovox45 (January,2012)



この建物、建った当時はダブリンではとても評判が悪かったそうです。ダブリン市民とアイルランド人建築家にとっては、そもそもイギリス人建築家を起用する事からして気に食わないわけで、建築の専門誌「The Irish Builder」からは、"ダブリンでもっとも醜い建物" "これみよがしで下品"と酷評を受けたそうです。



そのせいなのか長い間、外壁の掃除も行われずかなり汚れていたそうですが、数年前に修理・復元作業が行われ色とりどりのテラコッタの装飾がよみがえりました。



"Sunlight Chambers"、場所は観光名所のひとつ、シティ・ホールから Parliament Street をリフィ川方向へ進んだ左手。川のほとりなのですぐに分かります。建物の中には入れませんが、信号待ちの間にでもちょっと眺めると、おもしろいかもしれません。






(2012.7.12)





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コメント
見事なテラコッタ装飾ですね。人の動きや衣裳のひだ、動物の肉感もリアルですが、屋根瓦が超リアルでびっくりです。次回の訪愛時にはぜひ足を運びたいと思います。
colcannon | 2012.07.12 22:23 | 編集
このテラコッタは本当に、個性的ですよね。細部にまでこだわったリアルな描写といい、題材といい、すごくユニーク。確かに屋根瓦のリアルさはすごいですね!
bonovox45 | 2012.07.13 13:16 | 編集
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